2025/05/28 15:14
長野県は、四季折々の自然と豊かな山の幸に恵まれた土地柄から、多彩な郷土料理が育まれてきました。
これらの料理は、地域の風土や歴史、文化を反映し、家庭の食卓や祭りの場で親しまれています。
今回は、長野の郷土料理の中から、家庭でも作りやすい10品をご紹介します。
それぞれの料理には、地域の知恵や工夫が詰まっており、作ることで長野の食文化を体感できます。
1. 信州そば
長野県は、昼夜の寒暖差と清らかな水に恵まれ、そばの栽培に適した環境です。
「信州そば」は、そば粉と小麦粉を混ぜて打ち、水回し、こね、のばし、切りの工程を経て作られます。
そば粉が40%以上使われているもののみが「信州そば」を名乗ることができます。
各地でそば祭りが開催され、松本そば祭りは3日間で約15万人が訪れるほどの人気です。
2. おやき
「おやき」は、小麦粉やそば粉で作った生地に、野沢菜、なす、かぼちゃ、切り干し大根などの具材を包み、蒸したり焼いたりした長野県の代表的な郷土料理です。
農作業の合間に食べられていたことから、手軽で栄養価の高い食べ物として親しまれてきました。
具材や調理法は地域や家庭によって異なり、多様なバリエーションがあります。
3. 五平餅
「五平餅」は、炊いた米を半つぶしにして平たい団子状にし、竹串に刺して焼き、くるみやごま、味噌を使ったタレを塗った料理です。
祭りやハレの日の料理として食べられてきました。タレの味付けは地域や家庭によって異なり、山椒や柚子を加えることもあります。
4. 笹ずし
「笹ずし」は、笹の葉の上に酢飯を敷き、ぜんまい、たけのこ、しいたけ、くるみなどの山の幸をのせた寿司です。
飯山市では「謙信寿司」とも呼ばれ、上杉謙信の軍勢にふるまわれたのが始まりとされています。
笹の葉には殺菌・防腐効果があり、保存食としても重宝されてきました。
5. 大平(おおびら)
「大平」は、木曽地方の郷土料理で、冠婚葬祭には欠かせない煮物です。
数種類の野菜を使い、祝い事では末広がりの三角形、仏事では四角に切るなど、材料の切り方にも意味があります。だしを効かせた汁物風に仕上げるのが特徴です。
6. じゃがいものころ煮
「じゃがいものころ煮」は、南木曽町蘭地域でとれる在来種の小芋を使った煮物です。
身が固く煮崩れしない特徴があり、現在ではメークインなどで代用されます。素朴な味わいで、家庭料理として親しまれています。
7. 鯉こく
「鯉こく」は、佐久市に伝わる郷土料理で、鯉を筒切りにして味噌で煮た汁物です。
佐久地域の正月には欠かせない料理で、清流で育った「佐久鯉」は臭みが少なく、脂ののった肉質が特徴です。
長時間煮込むことで、旨味が凝縮されます。
8. えごの酢味噌あえ
「えご」は、エゴ草という海藻を煮溶かして固めたもので、冷蔵庫がなかった時代の保存食として重宝されました。
長野県の北部を中心に伝わり、辛子酢味噌や山椒味噌などで食べられます。
海のない長野県で、海産物の代替として工夫された料理です。
9. はんごろし(おはぎ)
長野県では、もち米を半分ほどつぶしたものを「はんごろし」、しっかりついておもちにしたものを「みなごろし」と呼びます。
「はんごろし」は、ぼたもちやおはぎのことを指し、仏様用にはまん丸に、自分たちには俵型に丸めて作ります。
小豆、きなこ、くるみなどをまぶして食べられます。
10. やしょうま
「やしょうま」は、米粉で作ったもちもちの生地に、うずまき模様を施したお菓子です。
油で揚げて砂糖醤油で食べるなど、さまざまな食べ方があります。
家庭で作ることで、地域の食文化を体験できます。
長野の郷土料理は、地域の風土や歴史、文化を反映した多彩な料理が揃っています。
これらの料理を家庭で作ることで、長野の食文化を身近に感じることができます。ぜひ挑戦してみてください。